債権者は、いつまでも騙す・・・


 

随分と、長いお付き合いのお客様です。

かれこれ、9年のお付き合いになろうかとしています。

同じ会社でのご相談ではなく、勤務先や業種を何度か変更され、その都度、ご相談をさせていただいていますから、波乱万丈の人生だといえるでしょう。

しかし、人生と生活だけは、安定して確保されてきましたから、立派なものだと思います。

 

最初は、建設設計関係の会社の専務として、ご相談に来ていただきました。

友人と2人で会社を設立し、社長と専務として経営をさされていたのですが、リーマンショックにより業績が悪化し、それに伴う対応のご相談に来ていただきました。

膨大な金融債務を抱え、収益性も極端に悪化し、既に再生の目途が立たない状況でしたので、任意整理を選択するしかありませんでした。

しかし、そのお客様は、逞しくも、建築設計業務を諦めることなく、自ら個人事業として始められたのです。

いわゆる第2会社になるのですが、当時の経営環境では事業として維持するのは簡単ではありません。

何とかしようと、借入もして頑張られましたが、結果として金融事故を起こし、この事業も整理されたのです。

その後は、全くの畑違いでしたが、知人が経営するブライダル関係の会社の役員として就職をされました。

就職後しばらくは経営も順調だったようですが、まもなくして資金繰りが悪化してしまい、社長と共にご相談に来られました。

既に資金繰りは破綻しており、とても経営改善できるような状況にはないため、優良事業だけを新規設立した第2会社に逃がすのが精一杯でした。

社長は、第2会社で生活の糧を確保できましたが、お客様が座れる席まではなく、仕方なく、元の建築設計の業務に戻られたのです。

幸いにして、経営環境に恵まれて事業は順調で、生活にも余裕が持てるようになれたようです。

 

9年前の最初の会社の時は、2年間ほど顧問契約を結んでいただき、任意整理が終わるまでお付き合いをさせていただきました。

その後の個人事業でも、借入をした金融債務の処理に関しては、随時のご相談で対応をしました。

知人のブライダル関係会社についても、任意整理について顧問契約を結んでいただきました。

それからは、たまに電話でお問い合わせをいただくだけで、やっと落ち着いた状況になれたようでした。

ところが、突然に、私どもにご相談の連絡が入りました。

現在の事業は順調なのですが、過去の負債についてのご相談でした。

最初の会社を整理し、その後に個人で開始された事業での、金融機関からの借入負債がサービサーに債権譲渡されたのです。

そして、そのサービサーから、弁済についての葉書が届いたのですが、その葉書に『10日までに、今後の弁済について交渉していただければ、和解条件が良くなります・・・』という様な文言があり、その文言に過剰な反応を示されたのです。

久しぶりに電話をいただき、この話をされるお客様の高揚した声をお聞きして、私は笑うしかありません。

これで、良い和解条件が引き出せて、大きな債務免除が得られるかもしれないと、お客様が真剣に言われるので、笑いをこらえて打合せをしました。

この債務処理に関してもはやベテランのお客様は、簡単なご説明をするだけで全てをご理解していただけました。

サービサーの葉書にある文言は、いわゆる釣りのキャッチコピーで、得をするように錯覚をさせたり、圧力をかけて不安を与えたりすることにより、債務者の心理を突くことが目的になります。

債権者である金融機関やサービサーが、債権回収のために支払督促において多用し、この文言に勘違いして釣られた債務者から、債権を回収しようという業界特有の方法です。

調べると、過去の請求にも同じ様な表現が使われており、その気になれば、債権者の意図はすぐに見破れたはずだと思います。

以前のお客様ならば、こんな表現に惑わされることなどなかったのですが、しばらく続いた安寧が、感覚を鈍らせたのかもしれません。

長いお付き合いの親しさから、笑い話の様なご説明をしている中で、大変なことに気付きました。

自らの個人事業において、もっとも多額の債務の時効期間が完成していたのに、時効を中断してしまっていたのです。

2週間ほど前に、先ほどとは違うサービサーから、債務承認書に記名押印して返信するように手紙が届きました。

この手紙については、何も調べず言われるままに、ご丁寧にも債務承認書を返送されていたのです。

この債務は、既に3カ月ほど前に時効期間が完成しており、後は援用をすることにより請求権がなくなるはずだったのです。

ところが、違うサービサーからの葉書に惑わされていたお客様は、この手紙には何の興味も疑いも持たれずに、言われるままに返信をされていました。

この事実をお客様に告げると、キツネに摘ままれた様な驚きの顔をされていましたが、私は笑うに笑えませんでした。

 

何度も仕事を失い、大きな負債も抱えて、運のない人生なのかもしれません。

しかし、一度も破産などの法的手続きはされず、生活も安定的に確保されて、ここまで強かに生き残って来られたお客様です。

本来は、釣りのキャッチコピーなどに騙されるはずなどなく、時効の何たるかについて十分に承知されていたはずなのです。

ところが、しばらくの安寧が、お客様の気を緩ませてしまったのでしょう。

債務処理の大きな峠は越えていますが、まだまだ手続き最中であることを認識し、せっかくのチャンスを逃さない様に、もう一度、原点に立ち戻、気を引き締める必要があるのでしょう。

 

 

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