土俵際の対応⑤ なぜ、こうなった・・・


 

経営は、なぜこんなに厳しくなってしまったのでしょう・・・?

たしかに、楽な経営ではありませんでしたが、なんとか資金も回っていたはずなのです。

それなのに、いつのまにか経営の継続が難しくなるほど、資金繰りが悪化してしまいました。

土俵際まで追い込まれた理由は、いったい何だったのでしょうか。

 

どんな場合でも、問題を解決するには、まずは問題になった原因を把握する必要があります。

特に、経営が継続できるかどうかという、生きるか死ぬかの土俵際での問題発生ですから、その原因をしっかりと理解しておかなければ、問題を解決するのは困難になるでしょう。

問題が発生した原因を理解することができれば、問題を解決する方向も、自然と開けてくるものだと思います。

したがって、問題の原因については、冷静かつ正確に把握していただきたいのです。

たとえば、得意先からの受取手形が不渡りになって、資金繰りが悪化したとします。

この様な場合、得意先の経営悪化という外因が原因であり、こちらには原因がないということになります。

無責任な第3者などに言わせれば、『運が悪かった』というだけで処理されてしまうのかもしれません。

しかし、資金繰りが悪化したのは、売掛金を回収できなかったからだと捉えてみてください。

受取手形が不渡りになって、売掛金が回収できなくなったのですから、同じことだと思えますが、意味は全く違ってきます。

商売として取引をする以上、売掛金を回収するのは当たり前のことです。

請求する権利を持った立場として、万が一のことも想定して、必ず売掛金を回収できるようにしなければなりません。

しかも、受取手形で預かるわけですから、さらに慎重に債権回収を保全しなければならず、得意先に対しての十分な与信が必要不可欠になります。

そして、与信の結果、もしも低い評価しか得られなければ、取引を見直す必要があります。

支払方法の変更してもらうのなどは当然で、今までは受取手形だった場合なは、現金の決済に変更してもらい、万が一の事態に備えなければなりません。

そのための与信なのですから、不渡りの可能性のある受取手形など、手元に存在するはずはないのです。

そう捉えると、受取手形が不渡りになったのは、与信を確実に実施しなかったことが原因であると理解出来ると思います。

土俵際の対応として、再生を目指して経営改善に取り組むことになるのでしょうが、今回の経営危機に陥った教訓を、誠実に活かさなければなりません。

得意先と安心してお付き合いをするため、与信を効果的に実施できるように、システムを構築するのが改善のポイントになるのでしょう。

運悪く、不渡り手形を掴まされたで済ましてしまえば、また同じ結果になってしまうと思います。

土俵際の経営危機に陥った原因は、受取手形が不渡りなったという外因ではなく、効果的な与信がなされていなかったという内因なのです。

 

慢性的に低い収益性が続き、とうとう経営破たんの瀬戸際に追い込まれたという場合も、しっかりと正しい原因の把握に努めてください。

この様な事例は少なくありませんが、ほとんどの場合、経営者は外因を口にされるのです。

  『得意先が、発注単価に厳しくてね、全く儲けさせてくれませんよ・・・。』

  『構造不況の業界でね、生きていくのが精一杯です・・・。』

  『請求段階でも、値引きを要求してきますから、何も残りません・・・。』等々

経営者の、原因分析をお聞きしていると、得意先などから厳しい要求を突き付けられて、命を削って頑張っておられたのだと、同情をしてしまいそうになります。

たしかに、突然に上記の様な原因により、土俵際の経営状況に追い込まれたのであれば、それは外因が原因なのかもしれません。

しかし、長年に亘り、慢性的に低い収益性が続いていたのですから、恒常的な環境での要求であったということであり、ある意味、通常の経営環境だったということになります。

そんな通常の経営環境で、結果として、土俵際の経営状況に追い込まれたのですから、これは内因が原因ということになるでしょう。

慢性的に低い収益である経営環境から、抜け出すことが出来なかったという内因が原因になり、『放漫経営』という言葉が、もっとも適切な原因になるのかもしれません。

慢性的という期間の中で、収益性を向上させるという結果を得られなかったのですから、経営者としては言い訳できない結果ではないでしょうか。

 

土俵際に追い込まれ、どのように対応しようかというとき、その原因を理解し把握したうえで、具体的に方向性を決めて取り組まなければなりません。

原因が的外れであれば、対応すべき方向性も的外れになりますから、正しい原因について、冷静に把握するように努めてください。

人間、誰しも、自分の責任は認めたくないものなのです。

 

 

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