保証人の自宅と信用保証協会・・・


不良債権の処理について、『連帯保証人』,『自宅』,『信用保証協会』,『低額の債権』というキーワードのご質問をいただきました。

現実的に問題として抱えておられる方が多いキーワードであり、お問い合わせをいただくことも多い内容です。

少し長くなりますが、ご参考にしていただけると思いますので、ご紹介させていただきます。

◇ お問い合わせ内容

私の主人と主人の経営する会社が、4年ほど前に倒産しました。

私は会社の借金(2000万)の連帯保証人でしたが、自宅が私名義で、住宅ローンでオーバーローン(無剰余)の状態で保全できており、自宅に住み続けるために私だけ破産はしませんでした。

その後、信用保証協会から自宅を仮差押えされ、裁判もされて敗訴が確定しています。(約1年半前)

自宅は、オーバーローンのため債権者も手を出さないだろうと思っていて、督促のハガキなども無視していましたが、昨日、信用保証協会に預金口座の差し押さえをされました。

預金残高は2万5千円ほどだったのですが、自宅のローンを組んでいる銀行の担当者が訪ねてきて、信用保証協会から自宅の差し押さえのことで連絡が来ていると言われました。

自宅のローンは、今まで1度も延滞させたこともないので、銀行の担当者は、信用保証協会と話をして欲しいようなことを言われます。

信用保証協会から、差し押さえを言われたら拒めないとも言っておられ、これから信用保証協会から様々な嫌がらせもされるだろうとも思われ、もう無視することはできないんじゃないかと思います。

今後、信用保証協会に対して、どのような対応が私にとってベストなのか教えてください。

ちなみに、私には収入はなく、自宅以外の資産もなく、あるのは家のローンだけです。

もう一つお聞きしたいのですが、主人が会社を倒産させたときに、私は、複合機のリースの連帯保証人にもなっていました。

そのリースの債権額は75万円ほどだったのですが、それも裁判を起こされて敗訴しています。

1年ほど、毎月請求書が届いていたのですが、去年の11月半ばにサービサー(債権回収専門会社)の手紙を持った人が自宅まで来て、必ず連絡してくださいと言って、ご連絡のお願いと言う手紙を渡されました。

訪問をしてきたのはサービサーでしたが、渡された連絡先は複合機のリースの会社のもので無視をしているのですが、これも放置しておいていいのでしょうか?

宜しくご回答お願い致します。

 

◇ 以上のお問い合わせについて、下記の様にお答えをいたしました。

債権債務処理について色々と勉強をされ、ご自宅を守るために最善の手段を選択されたのだろうと思います。

自宅について、住宅ローンを活用したオーバーローンによる保全方法は、連帯保証人としての環境であれば間違いなく有効な手段だと思います。

ただ、この方法にも欠点があり、信用保証協会が仕掛けてきたように、自宅の仮差押をしておいて、競売におけるオーバーローンが解消できるまで待つという対応をされた時に、将来的に競売を実行される可能性が出てくるということです。

これは、一般的にも理解されている欠点ですが、もう一つの大きな欠点が、住宅ローンを組んでいる金融機関の口座を差押されたときに、住宅ローンが事故なってしまう可能性があるということです。

ご存知のように、銀行などの金融機関から融資を受ける時に契約をしますが、その中に期限の利益の喪失についての条項があり、預金口座などが差押をされると期限の利益の喪失をするという内容になっています。

したがって、今回の場合は、住宅ローンについては事故もなく健全に弁済をしていても、住宅ローンと同じ金融機関の預金口座が差押をされたことにより、住宅ローンも期限の利益の喪失をして事故にされてしまう可能性があるということなのです。

ただ、この様な場合、銀行は必ず事故にする訳ではなく、状況・環境を勘案してそのまま住宅ローンを維持することもあり、銀行次第であるといえますので、銀行とは継続について弁済の意思を示してしっかりとお話をされることが大事です。

住宅ローン残高よりも、自宅の実勢評価が低い様な状況であれば、この様に差押えをされた場合でも、住宅ローンを維持できる可能性は高くなるといえます。

同時に対信用保証協会については、今までの対応の基本的スタンスが間違っていたと思います。

一般的に、信用保証協会は債務者の環境に留意をし、差押などの無茶な行為は簡単にしてきません。

しかし、債権者である信用保証協会に対して、債務者が愚弄する様な態度をとったり、詐欺的な行為を感じさせたり、自宅を保全し住宅ローンを払っているのに信用保証協会は無視している様な場合には、不信感を持って債権回収について厳しい姿勢を見せるものです。

既に、裁判をされ、いつでも差押をされる様な状況にあるわけですから、差押をされても当然だと捉えて、完全に無い袖は振れない状況になっておれば慌てる必要はないのかもしれません。

しかし、今回の場合は、自宅という資産がありますから、無い袖は振れない状況が中途半端なのです。

信用保証協会の担当者は、かなり債権回収姿勢の厳しい方で、運が悪かったという一面もあると思いますが、ここまで厳しい対応をされているのですから、この状況において具体的な手続きが必要だと思います。

まず、住宅ローンの銀行に対して、差押をされたとはいえ、今後も必ず弁済を続けるので事故にしない様にお願いをしてください。

知識の少ない担当者であれば、建前論に終始するかもしれませんが、必ず弁済を続け迷惑を掛けないという意思と根拠を示し、説得をされるべきだろうと思います。

そして、私であれば、信用保証協会に対しては、以下の様に対応をすると思います。 まず、今までの様に放置などせず連絡を取って、しっかりと謝罪をしたうえで、気持ちとしての誠意をいっぱいに伝えます。

そのうえで、差押の解除をお願いするしかありません。

謝罪し誠意を伝えたから許されるものではなく、弁済についても具体化するしかありませんが、次の前提で5000円前後のお願いをしてみましょう。

  1.自宅の住宅ローンは、義父母が、孫が可愛いために年金の中から払ってくれている。

  2.私自身は、パートで最低限の生活費を稼ぐのがやっとで、弁済の能力など無い。

簡単に、同意をしてくれる交渉ではありませんが、この様な条件で向き合うしかありません。

結論として、信用保証協会が何をしてこようとも、競売におけるオーバーローン状況にあるわけですから、住宅ローンの債権者銀行さえ事故にしなければ、自宅は守られるというのが最終的な回答になります。

複合機のリースについては、債務が微妙な金額ですね。

リーマンショック以前であれば、不良債権額が100万円を超えないと、裁判上の手続きなどといった本気の回収はしてこないだろうと言われていました。

しかし、最近は、20万円程の債権でも裁判してくる事例が多々見受けられます。

ただ、低額の不良債権であれば、裁判で勝って、それで終わりということも珍しくないのですが、差押などの回収手続きをしてくることも少なくはありません。

低額の債権額なのに、裁判上の手続きをするなどの対応は、多くの場合は自らの債権者組織に対してのアッピールだと思われ、債権回収の本気度を感じる例は多くはない様に思います。

今回の場合、75万円という債務額が微妙であり、これから差押をしてくる可能性も十分にあると思います。

ただ、相手は信用保証協会ではなく、民間のリース会社や債権回収専門のサービサーですから、こんなハゲタカに甘い顔を見せてしまえば、骨までしゃぶり尽くされてしまいます。

もしも連絡をするとすれば、必ず次の債権回収につながってしまいますから、いくばくか払う覚悟が必要になるのですが、今回の場合は、自宅があり、それを根拠にいつまでも分割弁済が続くことになるでしょう。

したがって、私であれば、すでに前回の連絡から2カ月も経過しているのですから、自宅に差押をされる可能性はあっても、しばらく様子を見ると思います。

万が一に、銀行の口座を差押えされれば、信用保証協会と同じ対応が必要になり、サービサーに口座の差押の解除を依頼すれば、分割弁済ではなく一括弁済を求めてくる可能性を否定できませんが、ここは賭けるしかないでしょう。

 

◇ 以上のお答えをして、以下のご返事をいただきました。

アドバイスしていただいた通り、先ほど信用保証協会の担当者に電話致しました。

何度か、自宅まで訪ねて来ていた担当者だったのですが、やはり私の印象は悪かったようで、かなりきつい言葉をもらいました。

『80歳の老人でも毎月少しずつでも返済していますよと。 あなたまだ若いでしょうと・・・。』

これからアルバイトを探して、少しでも収入にして返済していきますと言い、毎月5000円でお願いしたところ、すんなりOKをいただき、拍子抜けしてしまいました。

一生払っても返せない額でもいいんですね・・・。

複合機のリースについては、取合えず様子を見ようと思います。

複合機のリース会社は大阪で、私の住んでいるところは静岡県なので、サービサーに督促を依頼したのだろうと思います。

主人は3年前に破産しましたが、又会社を立ち上げがんばっています。

もう銀行から借り入れできないですが、私が破産しなかったので、資金繰りが厳しいときはなんとか回しています。

コツコツお金を貯めて、無借金経営ができればと思います。

以上です。

 

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