理屈は判っているけれど・・・


初めてのチャレンジは、しっかりと準備をしても、不安が付きまとうものです。

知識を身に付けたとしても、理論と実践とは違いますから、経験のないチャレンジに、不安があって当然なのかもしれません。

債権債務処理という厳しい場面においてはなおさらで、失敗のできないチャレンジでもあり、そのプレッシャーと不安は相当なものではないでしょうか。

準備万端で自信を持って臨んでも、実際の場面を迎えると、頭が真っ白になってしまうことは珍しくないようなのです。

 

債権債務の処理に関する知識を十分に修得をされた経営者から、ご質問のご連絡をいただきました。

経営者は、現在は廃業状況となっている事業において、経営者だけが連帯保証人になり、信用保証協会の保証付き融資を受けていたのですが、経営が破綻して返済できなくなり、4年半ほど前に代位弁済をされていました。

その信用保証協会から、代位弁済をした債権が時効を迎えるので、債務承認をするように要請をされているので、対応を知りたいとのご相談でした。

債務承認をしなければ、時効を中断するために裁判をするといわれており、債務承認か、放置して裁判か、どちらを選択すべきか悩んでおられたのです。

2つの選択肢の長短所を理解したうえで、その経営者は、債務承認をせずに放置をされました。

結果として、信用保証協会が裁判により時効を中断してくるだろう事を選択されたのです。

その後、その経営者からご質問のメールをいただいたのですが、その内容を見て驚きました。

十分に、債権債務処理の知識を身に付けておられたはずなのに、その知識が完全に吹っ飛んでしまっています。

理由は簡単、裁判所から『特別送達』という郵便が届いたからです。

たしかに、裁判所から郵便が届けば、多くの方は驚くでしょうが、債務承認をせずに裁判になることを選択した時点において、『特別送達』という裁判所からの郵便が届くのは判っていました。

こうなると判っていたはずなのに、本当にその場面に遭遇して、平常心を失ってしまわれたのでしょう。

いただいたメールは、以下になります。

『昨日、留守中に、裁判所からの特別送達で、不在票が入っていました。

中身は見てないですが、信用保証協会による裁判所への出廷の件でしょうか?

郵便局へは、このまま連絡せず、受取もしないつもりです。 それで問題はないでしょうか?

信用保証協会の件で裁判になった場合、どうせ負けると思いますので、欠席しようと思いますが問題はあるでしょうか?

目ぼしい資産は残っていませんが、家財道具などは差押されるのでしょうか?

私は、収入はありませんが、家内は20万得程度の給料を貰っておりますので、差押をされるでしょうか?

子供達は、2人とも社会人ですが、子供まで請求をされることはありますか?

ご助言を、宜しくお願いします。』

 

債権債務処理に関する知識を十分にお持ちの経営者なのですが、まるで素人の様な質問内容になっています。

特別送達という言葉を目の前にして、実際の場面に直面し、不安により自分を見失われたのかもしれません。

また、判っておられるのですが、念のために確認をされているのかもしれません。

実は、現場に直面された経営者の、このような事例は少なくありません。

ここは大事な場面ですから、我々も驚くのではなく、しっかりと対応をしなければならないのです。

ます、特別送達については、受取をしないのではなく、必ず受け取るべきです。

信用保証協会とは違う内容かもしれませんし、現状を把握するためにも、しっかりと内容を確認する必要があります。

信用保証協会からの、時効中断に関するための裁判であれば、必ず負けると思います。

どうせ負けるからと思って欠席すれば、実際に負けるだけのことです。

また、債権者が信用保証協会であれば、家財道具の差押については、まず考えられません。

家財道具の差押などは、下位のリース業者や、セゾンやオリコなどのレベルの高くない金融機関系業者が活用するぐらいで、まともな金融業者が積極的に活用する手段ではありません。

夫人やお子様への差押についてですが、当然にできません。

ご家族だからといっても、人格が違いますから、保証人でない限り差押などできないのです。

 

このようにメールを分析すると、債権債務処理では当たり前の基本的な内容についてのご質問になっています。

しかし、しっかりとした知識を修得した経営者でも、この基本的な内容に不安を覚えるようになってしまうのが、実際の現場の怖さなのかもしれません。

よくテレビドラマなどで、家財道具を差押されたり、奥さんがご主人の代わりに借金を払わされたりするのは、ドラマだからなのです。

債権者側は、手練手管の回収をしてくるのですから、不安に振り回されることなく、自信を持って本番を切り抜けてください。

 

 

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