実現可能な経営改善・・・


一口に、経営改善と言っても、様々な事例が存在します。

基本的なテーマや、取組みの方法や流れ,提案項目などは経営改善計画では共通しますので、資料だけでは違いに気付かないかもしれません。

しかし、計画を基に経営改善に取り組んでみると、その結果の違いを痛感することになります。

それは、経営改善において、目的の把握と,具体性の存在が引き起こす結果なのです。

 

仕事に絡んで、実に多くの経営改善計画書を拝見いたしました。

本の様に立派なものから、紙切れ数枚のものまで、ボリュームは様々です。

細かな数値や難しい分析結果が並ぶ計画があれば、簡単な数値目標だけの計画もあります。

眺めただけでは、どれが実現性のある計画か判りませんが、立派に作成された計画には圧倒されて信頼を抱くのかもしれません。

しかし、経営改善計画は、見栄えではなく、その中身が大事なのは言うまでもありません。

多くの経営改善計画は、その内容が『机上の空論』であるがために、結果として『絵に描いた餅』に終わってしまますが、その策定と取組みの根本に大きな勘違いがあるからではないでしょうか。

その勘違いは、『目的』と『具体性』という2点において、特に見受けられます。

何のために計画を策定し、誰のために経営改善に取組むのかという『目的』では、債権者と債務者のポジションを完全にはき違えたものがほとんどです。

計画の策定段階における現実の確認と、再生の達成のための計画策定において、債権者の喜ぶ結果だけに導く内容になっており、具体性の伴わない計画を頻繁に見かけます。

このような計画で、再生を目指して経営改善に取り組んでも、望む様な結果が得られないのは当たり前のことてしょう。

最後のチャンスといちるの望みを託し、余力の乏しい環境で、高い費用と膨大な手間暇を掛けて策定した計画がこれでは泣くに泣けません。

経営改善は、目的を明確にして、具体性を担保し、実現可能な内容にすることを大前提にしなければならないのです。

しかも、資金的・体力的にも厳しい状況であれば、負担も抑えて計画を策定したいものです。

そんな、都合の良い、経営改善計画を策定するポイントを、以下にご紹介をしたいと思います。

 

1. 経営改善についての捉え方を明確にする。

経営改善は、専門家に依頼しても失敗することが多く、特に経営危機状況に陥っている場合には、大半が失敗といってもいいほどです。

たしかに、専門家に依頼すれば、見栄えの立派な計画を作成してくれますが、実態を考慮せず、債権者を喜ばせるための内容になっており、実現性など考慮されておらず、結果有りきの机上の空論的になっています。

しかも、現形態での経営改善しか眼中に在りませんから、計画が失敗すれば破綻するしかありません。

本来、経営危機に陥っている事業者の経営改善は、視野を広げた取組みにすべきでしょうし、その目的も状況に合わせたものにすべきだと思います。

現経営形態での改善が難しいと判断すれば、違う形態での事業維持のための経営改善に取り組むことも必要でしょう。

また、経営改善をするために、優先的に雇用において大量削減するは本末転倒であり、従業員等の社会的弱者を守ることを目的とした経営改善にすべきではないでしょうか。

それが、経営危機状況での経営改善だと思います。

2. 取組みの流れを明確にする

既に、実質破綻状況で、再生の可能性がないのに、経営改善に取り組んで意味はありません。

経営改善計画の作成は、専門家が儲けるための商売ではなく、対象事業者を最善の落とし処に導くための一手段だと思います。

まずは、経営状況を正確に把握することから始め、現経営形態で再生の目途かあれば経営改善に取組むべきですし、再生の目途が立たなければ違った経営改善を提案すべきでしょう。

経営状況の把握に始まり、経営改善計画の策定や実施においては、専門家は先入観念を払拭し、しっかりと聞き取りや現状の調査を実施し、事業者を主体とした具体性のある経営改善に取り組まなければなりません。

その対応は、常に、フレキシブルであるべきです。

3. 達成可能な計画の策定

経営改善計画を策定するかぎり、計画の達成は必然です。

その為に、具体性が必要なのであり、具体的にする作業が求められるということになります。

その手段としては、過去に何度もご紹介をしてきた『CAPD表』の活用が最適ではないでしょうか。

経営改善には、結果としての達成計画数字が並んでいますが、本当に求められるのは計画数字を達成するための手段になります。

その手段を明確にする作業として、『CAPD表』の活用は、計画に転写できるほどの整合性を保持していますので効果的なのです。

誰でも取り組める簡単な作業であり、費用と手間暇を掛けずに効果的な経営改善への取り組みを実現できると思います。

4. 万が一への対応

経営改善に取り組む目的は、債権者金融機関などを喜ばせるためではなく、対象事業者が最善の結果を得るための作業だと思います。

再生が不可能だと判断される状況なのに経営改善に取り組んでしまったり、経営改善に取り組んでも再生が達成できなければ、対象事業者は全てを失う結果になります。

経営改善は、現在の経営形態だけが対象なのではなく、事業が対象であるとフレキシブルに捉え、常に落とし処を見据えておく必要があるのではないでしょうか。

その為には、経営改善として、第2会社での展開を模索することも否定されるものではありません。

5. モチベーションの維持

従業員の賃金圧縮や解雇などといった、雇用面でのリストラを見れば、専門家の力量を見分けることが出来ます。

経営改善の取組みにおいて、雇用リストラを優先する専門家は、高いスキルを持ち合わせてはいないと思います。

また、何度も、雇用リストラを繰り返させる様な専門家は、改善どころか悪化をさせてしまう素人ではないでしょうか。

経営改善の実施において、雇用面での対応は極めて重要なポイントになります。

固定費として大きな割合をもつ賃金を放置するわけにはいきませんが、経営改善にとって従業員のモチベーション維持は最優先事項なのです。

何度も雇用リストラを繰り返し、従業員のモチベーションを喪失させる様な経営改善は、絶対に避けなければなりません。

雇用面でのリストラを否定するものではありませんが、その取組みには最大限の配慮が必要となります。

 

経営改善での失敗事例を多く見てきましたが、共通点があることに気付かされます。

取組むための目的をはき違え、専門家目線で具体性がないということです。

間違った固定観念で、経営改善を理解しているのだと思いますが、結果として対象事業者を不幸にしているのではないでしょうか。

経営改善とは、債務者を最善の落とし処に導くものだと思います。

 

  詳しい内容は、ホームページをご覧ください,

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