こんな状況でも、この夫人は貯金をされていたのかと驚くしかありません。
それは、万策尽きて、倒産を選択しようとしている時にです。
質素な様相の社長夫人は、これからの必要資金として、何十万円単位で確保されていた複数のタンス預金を使ってくれと言われるのです。
社長である旦那の会社は、何年も資金繰りが厳しく、夫人の預金も含めて私財は全て運転資金に消えていたはずなのです。
生活費が10万円を切る月が数年は続き、最低限の食べ物や衣類もなかなか買えない生活の中で、これだけの蓄財をされたというのでしょうか・・・。
資金繰りが悪化すれば、対債権者金融機関などの配慮もあり、まずは社長の報酬を削減するようになります。
これは、資金繰り確保としては、もっとも初期の簡単な対策であり、当たり前のことだともいえます。
再生を目指し、経営改善を実施するために、時間的な猶予を確保する必要からも資金繰りを楽にしなければならないからです。
しかし、再生を諦めた時は、全く対応が違ってきます。
整理という文字が視野に入ってきたときに、対応を変える必要があるのです。
現在の会社を整理するということは、倒産するということになります。
産が倒れ、事業が停止すると、経営者は報酬が無くなってしまいます。
そうなると、糧が得られなくなり、生活が出来なくなる可能性がありますから、そうなる前に、しっかりと資金を確保しておく必要があるということなのです。
任意とか私的とかという表現の伴う整理においては、経営者のウエイトや主体性は非常に大きくなります。
経営者が、自らの考えと力で整理を進めていくことになりますから、経営者自身が余裕のある状況でなければ取り組めません。
経営者自身がしっかりしていなければ、従業員や仕入れ先などの社会的弱者を守れないのです。
そのために、まずは経営者の生活を確保する必要があるということになります。
したがって、経営者には、しばらくの期間、最低限の生活を送れるだけの資金が必要になるということなのです。
この状況においては、資金繰りを優先するよりも、経営者としての手元資金確保を優先させることの方が重要なのかもしれません。
同時に、今後の事業展開についても、配慮する必要があります。
事業を諦めて、放浪でもするのならば関係ありませんが、責任ある経営者として社会的弱者を守る気があるならば、簡単に事業を諦めることなどできるわけありません。
従業員の今後の生活の糧を確保するため、仕入れ業者などの将来の仕事を得るためにも、第二会社などで事業を維持したり、再構築したりする必要があるということになります。
初期投資も必要であれば、当座の運転資金も必要となるでしょう。
そのためにも、それなりの資金を用意しておく必要あるということなのです。
再生がメインテーマのときは、徹底した経営改善やリストラが必要であり、経営者の報酬の圧縮は当然な行為になります。
しかし、再生の可能性が低下し、整理がメインテーマになってくると、経営者としての責任を全うするために、手元資金の確保を図る必要が出てくるのです。
しかし、この状況での資金確保は簡単ではありません。
徹底したリストラを実施しても、資金が不足するから整理を選択するしかないという状況です。
無駄を徹底的にそぎ落とした状況においては、僅かな資金でも確保するのは簡単ではありません。
そう考えると、冒頭の夫人の蓄財が、いかに凄いことかということはご理解いただけると思います。
全く余裕のない生活において、何を削って貯金をされたのかは判りません。
しかし、現実として、蓄財をされたのです。
社長である旦那との、今後の生活のための蓄財であることは間違いありません。
世の、経営者夫人に、是非とも見習ってほしいと言うのは間違いなのでしょうか・・・。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
↓
↓ランキングです クリックして応援してください
人気ブログランキングへ
ランキングです クリックして応援してください
↓